アルカリ電解水は、中性洗剤などの洗浄剤（界面活性剤）が入ってなくても、キレイに清潔になり、比較的価格も安く使いやすいと、幅広い層に人気を集めています。ただ、アルカリ電解水がどのような汚れを落としやすく、どんな場所の掃除に向いているかなど、メリットやデメリットを詳しく知らない人もいると思います。この記事ではアルカリ電解水の特徴と使い方のポイントについて、おすすめの商品と組み合わせて使いたい掃除グッズをあわせて解説していきます。
アルカリ電解水の特徴は？どんな汚れを落としやすい？
アルカリ電解水とは、名前の通りアルカリの性質を持った水でできた洗浄液のことです。液体や物質には酸性・中性・アルカリ性という性質があり、酸性とアルカリ性を混ぜると「中和」して、その性質を打ち消し合います。この「中和」という性質を利用して汚れを落とすのがアルカリ電解水です。
「電解水」とは、水を電気のパワーで分解した液体です。水そのものはもともと中性ですが、電気を流すと酸性とアルカリ性に分かれます。そのアルカリ性の部分だけを集めたものがアルカリ電解水であり、100％アルカリ電解水の商品であれば、洗剤などによく含まれる界面活性剤なども含まれておらず、キッチン掃除やテーブル掃除など、食品を扱うことが多い場所にも安心して使えます。
アルカリ電解水が落としやすい汚れ
ちなみに、アルカリ電解水で掃除するとキレイになるのは、汚れの多くが酸性の性質を持っているからです。アルカリ電解水が落とせる代表的な「酸性の汚れ」としては、以下が挙げられます。
- 手アカ
- 油汚れ
- 皮脂汚れ
- 食べこぼし
- 血液
- 水回りのピンク汚れ など
なお、アルカリ性単純温泉（アルカリ泉）が「美肌の湯」と呼ばれるのも、アルカリ性が持つ洗浄力でお肌の汚れを落とせることが関係しています。どれも日常生活で発生しやすい汚れなので、すぐ手の届くところにアルカリ電解水を用意しておくことをおすすめします。
アルカリ性についての理解に役立つ本
アルカリ電解水を掃除で使うメリット
アルカリ電解水を掃除で使うメリットとして、「安全性が高い」「二度拭きが必要ない」「除菌できること」などが挙げられます。
使用後に水になるため安全性が高く使いやすい
一般的に中性洗剤と呼ばれているものの多くは、界面活性剤が含まれています。そのため、床や換気扇、浴槽など食べ物が関わらないところに使う分には問題ありませんが、キッチンや電子レンジなど食べ物を扱う場所に成分が残り、万が一口に入ってしまうと体に悪影響があるかもしれません。
アルカリ電解水は使用後に水になるため、掃除した後に拭き残しなどがあっても、体に害を与えるような成分は残らず、口に入るような場所で使いやすいです。何でも口に入れてしまう赤ちゃんやペットのおもちゃや食器にも使えます。
使うときに役立つグッズ・本
二度拭きの必要がないので掃除の手間がかからない
前述のようにアルカリ電解水は水からできていますので、乾けば何も残りません。アルカリ性の洗剤には重曹やセスキ炭酸ソーダなども挙げられますが、これらは成分が残ると白い粉となってしまいますので、拭き残しがないようしっかり二度拭きしなくてはなりません。アルカリ電解水は二度拭きの手間がいらないので、掃除の時間や手間を大きく減らせます。
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除菌ができる
アルカリ電解水は、酸性・アルカリ性の強さを表すpH（0〜14）の数値が12〜13と言われています。これはちょうど除菌にも使える程度の数値で、食中毒の原因となるO-157やサルモネラ菌などを除菌でき、60秒待てばノロウイルスを不活性化できます。同じように家庭での食中毒の原因となりやすい「黄色ブドウ球菌」に対しては効果が薄いので、万能な除菌水ではありませんが、一般的な除菌対策としては十分使えます。
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アルカリ電解水を使っての掃除のポイント
アルカリ電解水を使っての掃除方法には「直接吹きかけて掃除する方法」「布に染み込ませて掃除する方法」の2つの方法があります。
基本的には直接吹きかけ、その後水分を拭き取る掃除方法で構いません。汚れを含んだ水がたれてしまうと困る場所や水を吹きかけるのに向いていない場所を掃除するときは、布にアルカリ電解水を染み込ませて拭きましょう。また、状況や目的、場所などにより以下のように使い分けると、汚れを落としやすくなるので、うまく取り入れてみてください。
毎日の拭き掃除で使うとき
- ダイニングテーブルなどに、水拭きの代わりに軽くスプレーして使う
- 水拭きと同時に除菌もできるので、一石二鳥でキレイにしやすい
- キッチンやシンク、調理後のコンロの汚れなどにもおすすめ
- 冷蔵庫やエアコンなどの洗浄・消臭・除菌にも
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ひどい汚れの掃除に使うとき
- 汚れがひどいときはアルカリ電解水を吹きかけて5分ほど待ち、お湯で絞ったふきんで温めながら拭き取ると汚れが落ちやすい
- アルカリ電解水を使うときは、ほこりなどの大きな汚れを乾いた布や水拭きで軽く拭き取ってから使うと、汚れが落ちやすくなる
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頑固な油汚れを掃除するとき
- キッチンの床やガステーブルなど、頑固な油汚れが溜まりやすい場所は、アルカリ電解水を使っての掃除がおすすめ
- アルカリ電解水を吹きつけて15秒くらい待ち、古い歯ブラシで軽くゴシゴシと汚れをこすり落とすように掃除すると、頑固な油汚れも落としやすい
- 油汚れを落としたら、乾いた布で拭き上げ、ホコリの再付着を防ぐのも大切
- 広い範囲を一気に掃除するときは、大きめのたわしやナイロンブラシなどでこすると手早く掃除できる
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赤ちゃんがいる家庭の掃除で使うとき
- 水洗いも熱湯消毒もできないおもちゃの除菌や、衣類のシミ抜きに使える
- 赤ちゃんや子どもが食べこぼしたテーブルやベビーチェアなども、スプレーして拭き取りで汚れや雑菌を落とせる
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消臭対策で使いたいとき
- ゴミ出しの後、空になったゴミ箱の中に吹きかけ、キッチンペーパーで拭き取る
- 二度拭きの必要がないので、イヤなニオイを簡単に消臭・予防できる
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タバコのヤニ汚れの掃除をしたいとき
- ヤニで汚れた場所にシュッとスプレーするとドロドロと溶けて流れる
- 壁や床にスプレーし、その後拭き取るだけでキレイに落ちる
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おすすめのアルカリ電解水一覧
アルカリ電解水には多くのブランドがあり、店舗やネットショップで気軽に購入できます。開発元・販売元が信頼できるところであれば、好みで選んでもらってよいのですが、いろいろあるので選びにくいかもしれません。以下のアルカリ電解水は、クリン.ネ編集部でも検証済みで、口コミなどでも評判が高いのでおすすめです。
クリン.ネ編集部おすすめのアルカリ電解水
- LEC 水の激落ちくん アルカリ電解水100%…ナチュラルクリーナーに定評がある「LEC 激落ちくん」シリーズの比較的安価なアルカリ電解水。LECからは重曹配合のアルカリ電解水やセスキ配合のアルカリ電解水も出ている
- 強アルカリ電解水 ブリーズクリア…pH13.2以上の強いアルカリ性のため洗浄力が高い。使い方に注意が必要だが、汚れ落ち効果にこだわる人にはおすすめ
- マルクリマスター アルカリ電解水…プロが業務用で使っているアルカリ電解水。汚れ落ちが良いうえにph12.5で使いやすいのもおすすめポイント
- imacleanS 強アルカリ電解水…pH13.1以上の強アルカリ性のアルカリ電解水。希釈することで、pHを調整できる。スプレーボトルは少し使いにくいが大容量でお得
- アルカリ電解水クリーナー 水ピカ…pH13.1以上の強アルカリ性のアルカリ電解水。スプレーボトルは専用のものより別途購入したほうが掃除はしやすい。大容量で安価なためコスパ重視にの人におすすめ
アルカリ電解水の注意点は落とせない汚れと使えない場所があること
アルカリ電解水は、安全性が高く使いやすいですが、落とせない汚れや使えない場所がある点に関しては注意が必要です。
アルカリ電解水が落とせない汚れ
このように便利なアルカリ電解水ですが、アルカリ性を酸性の汚れと中和させて落としやすくするという性質上、アルカリ性の汚れには使えません。例えば「水まわりやポットの中の白く固まった水アカ汚れ」「トイレの黄ばみやニオイ」などです。これらはアルカリ性の汚れなので、酸性のクエン酸スプレーなどの酸性の洗剤で落としましょう。
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アルカリ電解水が使えない場所や素材
水に濡れると困るものや、タンパク質が分解されてシミになってしまう革製品、黒ずんでしまうアルミや銅にも向いていませんし、テレビ画面・パソコンの液晶モニター・メガネなど、クリアコーティングされているものはコーティングがとれてしまう可能性がありますので、使わないようにしましょう。具体的には、以下のようなものには使えません。
- 漆器やニス塗りの家具
- 革製品、シルク製品、毛製品
- クリアコーティングされたモニターやメガネなど
- 銅製品、アルミ製品
- 自動車の塗装面
- 宝石類 など
塊状の汚れの掃除や漂白には使えない
酸性の汚れである油汚れやタンパク質汚れであっても、固まった焦げなど塊状の汚れや衣類に染みついてしまった経年的なシミは、他の洗剤のほうが落としやすいです。これは、アルカリ電解水が内部に浸透する前に水になってしまうからです。また、アルカリ電解水は漂白効果がないため、まな板や食器の漂白には使えません。
固まった汚れには粉洗剤・重曹などの粉末洗剤を、粉末のまま使ってクレンザーのように落とし、衣類に染みついたシミやまな板・ふきん・食器などの漂白には過炭酸ナトリウムを使って掃除することをおすすめします。
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人に直接着かないように注意する
なお、アルカリ電解水は安全性が高い洗浄液ではありますが、それは拭き取った後、乾いた後の話です。手アカや皮脂を中和して落とせる強いアルカリ性の洗浄液ですから、皮膚につくと必要な皮脂まで取りすぎてしまい、肌が荒れてしまう可能性があります。手で直接触ったり他の部分の皮膚にかかったりしないよう、使うときはゴム手袋やマスクをしながら使いましょう。
とくに、液が直接目に入ってしまったりすると非常に危険ですので、スプレーするときはなるべく目線よりも下になるように吹きかけたり、掃除の間は赤ちゃんやペットを近寄らせないように注意が必要です。もちろん、乾いた布で拭き取った後や、水が完全に乾いた後は安全ですので、すぐに使いたいものや場所はなるべく早く拭き取ってしまうのが良いでしょう。
使うときに役立つグッズ・本
おわりに：アルカリ電解水は手アカ・皮脂汚れ・油汚れなど、酸性の汚れに効果的
アルカリ電解水は、水を電気で分解してアルカリ性の部分だけを集めた洗浄液で、100％水だけでできています。また、使用後は水に戻るため安全性が比較的高く、洗浄成分が残らないので水拭きの手間が要らず、除菌もできる洗浄液として赤ちゃんやペットのいる家庭での掃除におすすめです。落とせない汚れや使えない場所、人体に直接着くと刺激が強いなどの注意点はありますが、比較的使いやすく安価で汚れ落ち効果が高いので、毎日の掃除にうまく取り入れてみてください。
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